先日参加した、株式会社ドリームファクトリーが運営する貴金属・ブランド品買取販売店「ゴールドプラザ」主催の『時計の豆知識とROREX真贋講習会』。
時計に関する知識(各部位の説明や時計の歴史、仕組み、修理、お手入れ方法)、ROREXの正規品とコピー品の見分け方にいたるまで、盛りだくさんの内容でした。
時計の知識あれこれ
講習会の時間は2時間。
時間が限られていたせいか、前半の時計の知識は若干飛ばし気味の説明でした。
ファーストステップは時計の各部位名称の紹介から。
時間の関係で突っ込んだ説明はありませんでしたが、風防とかラグとか聞き慣れない名称がわんさか出てきました。
腕時計はふだん何気なく使っているので、具体的な部位の名称は気にかけることは皆無ですが、覚えておいて時計売場で「ベゼルは何の素材で出来ているんですか?」とか「ラグの強度はどのくらいですか?」とか質問すると店員にナメられないかもしれません。
この後にもスライドがつづくのですが、全部載せると膨大な量になってしまうので端折りまして、説明内容を(マニアックな情報含む)ザッと箇条書きにしてみますと・・・
- 時計が一般的に使われるようになったのはここ100年くらいのことで、かつては支配者階級が使っていた
- 脱進機(歯車を一定方向に回す装置)付き水時計は世界で一番最初につくられた機械式時計
- SEIKOが発売した世界初の市販クォーツ腕時計「アストロン」の登場によってクォーツ腕時計が市場を席捲するようになり、各世界の時計ブランドのほとんどが大打撃を受けた(クオーツショック)
- 時計業界の売上トップ3は、第三位がロレックス、第二位がリシュモングループ(ボーム&メルシエ、カルティエ、ピアジェ、ジャガー・ルクルトなど)、第一位がスウォッチグループ(オメガ、グラスヒュッテオリジナル、ブランパン、ブレゲなど)
- スウォッチグループの傘下にあるETA(エタ)社がつくっているムーブメントを使用しているのはオメガ、カルティエ、フランクミューラー
- オメガは20万くらいの時計にはETA社のムーブメント、50万以上の時計には自社のムーブメントを使っている
- パテックフィリップは時計1本数千万円するのが当たり前。購入すると店員が家や車のように資産価値のあるものを買ったことに対して、「おめでとうございます」と言ってくる
- グランドセイコーのスプリングドライブは世界中のメーカーがあと20年かかってもつくれない
- 時計の部品が噛み合っている間に少しずつ割れていったり、油も腐っていくのでオーバーホール(分解洗浄)は5年に一度は行った方がいい
- ロレックスのオーバーホールは10万円、中身が壊れていたら20万円以上かかる
- 時計は定期的に乾いた布で拭き、ベルト、バックル、ねじ穴などの隙間を綿棒などで掃除するべし
- 時計は乾燥剤と一緒に保管すると油が抜けていってしまうのでダメ
- 箱や保証書はあとで売るときに状態が良い方がベストなので、乾燥剤を入れて保管するとよい
- 自動巻きを最初につくったのがロレックス
- ロレックスの機械式時計は1ヶ月に5秒しかズレない
- 時計は売却時の金額を把握することで実質の使用価格がわかるので、同じデザインなら売却金額の高いものを買う方がよい
- ロレックスは中古品でも売却金額が高い
・・・などなど。
「機械式時計を好きな男性は、面倒くさい性格の子(女の子)が好きだったりするんですけどね」(講師を務めたゴールドプラザの鑑定士である川崎氏談)という真偽不明?な情報も妙に印象に残りました。
腕時計で性格判断できる?
印象に残ったといえば、「鑑定士直伝! 腕時計で性格判断」のコーナー。
川崎氏の鑑定経験に基づいた個人的な見解らしいですが、どんな腕時計が好きなのかによって、その人がどういうタイプなのかが想像できるそうです。
たとえばロレックスの『DATEJUST』やグランドセイコーをつけているのは常識的な性格、オメガのSpeedmasterやタグホイヤーなどのスポーツウォッチをつけているのは見た目を気にする性格、カルティエやフランクミューラーなどのドレスウォッチをつけているのは女好きが多い、シャネルやウブロなどのカジュアルウォッチをつけているのは見た目がヤンチャな人が多いのだとか。
う~ん、わかるようなわからないような・・・
ちなみにジャガールクルトをつけているのは医者が多いらしいです。
ロレックスの正規品とコピー品を見分ける方法
さて、後半はいよいよロレックスの本物と偽物の見分け方についてのレクチャー。
ズラッと並べられた高級感がムンムン漂うロレックスの中にシレッと混じっているコピー品はどれなのか・・・
といっても実際には「正」、「ニセ」と書かれた札がついているので丸わかりなのですが、それでも素人の自分にはその札がないとまったくわかりません。
最近出回っているコピー品はパッと見ではわからないくらい精巧につくられているものが多いそうですが、今回教えてもらった方法では一目瞭然とのこと。
【コピー品の見分け方】その1:ダイアルブランドロゴ
ひとつめはダイアルブランドロゴの書体。
コピー品は正規品のロゴと比べて字が太かったり、アルファベットが歪んでいたり、はみだしていたりするそうです。
【コピー品の見分け方】その2:ガラス王冠透かし(2000年以降)
2つめは2000年以降に発売された正規品のダイアル部分に施されている、ガラスの王冠透かし。
正規品の透かしはルーペを使わないとほとんど見えませんが、コピー品は簡単に目視できるらしいです。
【コピー品の見分け方】その3:蛍光塗料
3つめは文字盤の数字に塗られている蛍光塗料。
正規品は暗くてもハッキリ見えるのが特徴で、コピー品は雑に塗られているためか、蛍光塗料が枠からはみ出していることが多いとのこと。
【コピー品の見分け方】その4:刻印
4つめはバックル部分に施されているロレックスのロゴや王冠の刻印。
正規品がしっかりが削られているのに対して、コピー品は立体的ではなかったり、後から取ってつけたような状態であることが多いそうです。
蛍光塗料の場合と同じく、要は明らかに手抜き感があるのがコピーってことのようですね。
【コピー品の見分け方】その5:研磨
5つめはリュウズやベゼルの研磨が丁寧であるかどうか。
さわった瞬間に痛いと感じたらコピー品の可能性が高いそうです。
見た目はほとんど変わらないものの、正規品の肌触りの良さに比べるとコピー品はなんともいえない不快なザラつきやひっかかりがあるとのこと。
やはり偽物は手を抜いて雑につくられているんですね~。
タイムグラファーを使えば一発でコピー品が判明
高級時計のコピー品の中には、小癪にも正規のETA(エタ)社のムーブメントを用いているものがあり、これだといかにも正規品という感じで外側から見分けるのは難しくなるのだとか。
しかしタイムグラファーという機械を使ってムーブメントの調整具合を調べれば、すぐさま判明するそう。
しっかり調整されたムーブメントは一定のしっかり間隔でカチャカチャと音が刻まれますが、調整されていないものはこの音が何度も重なって刻まれるようです(コピー品では正規のムーブメントを使っていても調整は本物と同様にできないため、このチェック方法が有効)。
まとめ
これまで腕時計にわりと興味があったので、今回の講習会の内容は知識欲が満たされてとても楽しかったです。
ゴールドプラザでは定期的に講習会を開催しているみたいなので、次回行われたらまた参加してみたいですね。
今まで国産ならセイコー、舶来ならブライトリング一択でしたが、ロレックスは資産価値がすこぶる高い(コピー品が次々と出てくることが何よりの証)ことがわかり、ちょっと関心が出てきました(金銭欲が・・・)。
また、お土産に時計の修理品のセットをいただいたので、手持ちの腕時計で出来そうなものがあったらサイズ調整をやってみようかなと思います。